塩は、海水の乾燥、岩塩の採掘などによって生産される塩化ナトリウムを主成分とした物質。塩味をつける調味料として、また、保存などの目的で食品に使用される他、工業用、融氷雪などにも使われます。
塩は、海塩、岩塩、湖塩に大別されます。日本で生産されている塩はほとんどが海塩です。
海水から作られる塩には次の種類があります。
食塩 | 一般に販売されている塩。イオン交換膜透析法により、ナトリウムイオンとカリウムイオンを抽出、濃縮し、真空蒸発によって煮詰めて作ります。 | |
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自然海塩 | 完全天日塩 | 海水を塩田や枝状流下式によって濃縮し、太陽光と風だけで数ヶ月かけて結晶化させます。 |
平釜塩 | 海水を塩田や枝状流下式によって濃縮し、平釜で煮詰めて結晶化させます。 | |
再生加工塩 | 自然海塩加工 | 輸入した原塩に、にがり等のミネラルを添加して、成分調整を行います。 |
イオン交換塩加工 | イオン交換塩に、にがり等のミネラルを添加して、成分調整を行います。 |
佐渡の深海塩(みしお)は、佐渡海洋深層水100%を平釜で24時間煮詰めて作っています。
塩はただ塩辛いだけと思われがちですが、含まれている成分が複合的に味に影響しています。佐渡の深海塩(みしお)は、お買い上げいただいたお客様から「ほんのりと甘い」「コクがある」「いろんな味がする」などの声をいただいております。
ナトリウム :33,000mg
カルシウム : 460mg
マグネシウム : 300mg
カリウム : 110mg
※ 原子吸光光度法による検査
※ 自然海塩ですので、成分は微妙に変化することがあります。
塩加減には個人差がありますが、おいしいと感じる塩分濃度は0.8〜1.1%です。これは人の体液の塩分濃度が0.9%であるため、なじみやすいからだと言われます。
すし酢を作る時に、少し塩を足すことによって、酸味が和らいだり、お汁粉に塩を入れると甘みが強調されたりします。また、だし汁に少し塩を入れるとうま味を強く感じるようになります。塩は味を引き立てるバイプレーヤーと言えるでしょう。
湯豆腐に少し塩を入れると、豆腐にすが入らず、柔らかく仕上がります。これは、塩のナトリウムが食品中のカルシウムやマグネシウムと置きかわって、食品を柔らかく保つ働きがあるからです。
魚や肉の表面に塩を付けて焼くと、表面だけが早く凝固して固くなり、中のうま味が外に溶け出すのを防ぎます。これは塩にタンパク質の変性を起こしやすくする働きがあるからです。
塩溶液は高い浸透圧を持っていて、細胞内から水分を外に出す作用があります。漬物は、塩の脱水作用を利用した加工食品です。また、干物は魚を塩水につけて余分な水分を外に出してから干すことによって、うま味を凝縮させています。
枝豆やほうれん草を湯がくとき、湯の中に少量の塩を入れると色鮮やかに仕上がります。これは塩の働きによって葉緑素が安定するからです。
塩漬けで食品を保存するのは、塩の脱水作用によって細胞から水分が抜かれると、細菌は繁殖できなくなって死んでしまうからです。